強羅花壇を育て上げた元支配人の著書「繁盛旅館の謎」
2010.02.08 Monday

繁盛旅館の謎―「和の物腰」という秘策著者:幾度啓
私が昨年の1月まで勤めていた「アモルフ」という京都の設計事務所は、旅館業界でも有名な「強羅花壇」や「べにや無可有」を設計したことでも知られている事務所です。
見習い時代から合わせて7年間在籍しておりましたが、その間に「べにや無可有」の4期工事の設計・施工を体験し、旅館の設計というものはハードだけでなくソフト面を一緒にオーナー様と考えていくことで、新たな価値を生み出し、新たなニーズを生み出すことができるのだなと実感しました。
実際に研修旅行で「べにや無可有」に宿泊し、その心地よさを実体験しました。
しかしながら、今の旅館内装デザインの走りとも言われている「強羅花壇」は、かなり昔のプロジェクトということと立地の問題もあり、接点がなく、過去の資料を見るにとどまっていました。
そんな中2009年の末、強羅花壇再生の要となった元支配人幾度啓さんの著書が発売となり、この機会にどのようにして強羅花壇が成功したかを知るためにも読みました。
序章 旅館にあって、百貨店にないもの
第一章 三越で極めた「物を売る」サービス
第二章 「心を売る」サービスへの挑戦
第三章 一泊五万円のサービス哲学
第四章 心地よさと、安全さ
第五章 旅館業のホンネ
終章 「和の物腰」の伝承者として
感想を書くと長くなりそうなので、印象に残った言葉を。
それは「心地よさ」という商品という言葉です。
旅館業は物を売る商売ではなく、お客様に目に見えるものとしてお持ち帰りいただけるものはない。
お持ち帰りいただけるものは、「アメニティ(快適さ)」「思い出」であると著者は言っています。
実際旅館では「料理」や「お風呂」、そして「施設」といった目に見えるサービスもあります。
しかしながらそれらが多少不満があったとしても、従業員のちょっとした心遣い、気遣いが印象に残り、よい思い出として残るということが往々にしてある。
これは、旅館業だけでなくデザイン業でも言えることではないかと思いました。
失敗したときこそチャンスなんてことを言いますが、まさにその精神です。
サービスとしてのデザインをしっかりと考え、実行していきたいと思います。
PROCESS5 DESIGN
吉澤生馬
































